• SHISHUMANIA

⑤いざニューヨークへ編






8月5日の午前9時に、ラスベガス発の飛行機に乗り、午後4時にアトランタに到着しました。



隣の席には、乗り換えなのか、パイロットの制服を着たダンディな50歳くらいのお父さん、金髪の優しそうなお母さん、育ちの良さそうな18歳くらいと10歳くらいの男の子兄弟が座っていました。

ピカピカと光るBluetooth接続されたお揃いのヘッドホンを首に下げ、楽しそうに家族の会話を楽しんでいました。

お父さんはCAさんと仲良さそうに挨拶し、お客さんの荷物の出し入れを手伝っていました。

お母さんも息子達も、誇らしそうにそれを見ていました。


幸せな家族を見て、This is Americaってやつ?なんて思いながら温かい気持ちになり、落ち着いて機内を過ごせました。


アトランタ空港はデルタ航空の飛行機が非常に多く、至る所にDELTA ATRANTA'S HOMETOWN AIRLINE と書かれた看板がありました。パイロットは誇りに思うだろうなーと思いました。




急いで乗り換え、ニューヨークのラガーディア空港へ向かいました。


ニューヨークに着陸する瞬間をカメラに収めたかったので、チェックインの時に英語で頑張って窓側の席を指定しました。




「よーし、最初が肝心!きっちり着陸のシーンを撮ってかっこいい動画を作るぞ!」


と意気込みながら席に向かいました。

すると座っているというより、はまっている感じのふくよかな黒人女性が僕の予約した席に座っていました。



絶対に自分の席ではない事を分かっているのに、彼女は僕の


「そこ? 僕の席なんですけど?」


視線攻撃から、目を背けることも焦る事もなく、一切不安のない堂々とした目で、


「あんたが遅いから先に座ったの。代わるにしても、私達の間には関係の無い人が1人座ってるの。ほらこの子よ。この子をわざわざどかしてまで席を交換しろって言いたいの?ほら、しかも私はまってるし。あと、機内後部席の人は優先搭乗のアナウンスあるよね?チケット見てみ? ZONE2って書いてあるわよね?今頃来たってもうね。いないと思われてもしょうがないわよ。あなたに私を責める権利はあるの?」



海外ドラマで例えると、もともと悪い人間だったけども、ふとしたきっかけで仲間ができ、一緒に困難を乗り越え行動しているうちに自分を改め反省し、ようやく幸せな楽しい生活ができてきたと思い始めた矢先、1人だけ敵に捕まってしまった彼女。

「私は変わった。いえ、仲間が変えてくれた。」

愛する仲間を守る為に仲間の居場所を吐かず、瀕死の重傷を受けながらも拷問に耐えた彼女。


仲間が救出に来てくれて、なんとか敵をやっつけたものの、もう彼女の命は長くない。

「私の行動に悔いはないわ。 ただ、あなた達ともう少しだけ一緒にいたかった。」


そんな目で、彼女は僕に視線攻撃をしてきました。



5秒くらい見つめあった後、ハワイ、ラスベガスでだいぶ疲れていた僕は、声をかけることを諦めてふて寝することにしました。



座った後に横をみると、「まだ何か言いたい事あるの?」と言わんばかりの顔でまた見つめられたので、これがThis is Americaってやつかと思い、ふて寝しました。


着陸する時、夜9時でもまだニューヨークは明るく、めちゃいい感じの夕焼けだったのですが、窓は彼女に奪われていました。


着陸をうまく撮れなかったのか、イラついた表情の彼女が何をするのかと思って見ていると、自撮りムービーを撮り始めました。

自撮りが始まるとめちゃ笑顔で楽しそうな顔に変わりました。

え?これなら窓にこだわる必要ある?

と思いましたが、まあ勝手な被害妄想で、実は航空会社の手配ミスだったかもしれないし、ニューヨークを楽しまないと。席代わってって言わない自分が一番悪いし。いや、一番悪いのはあいつじゃね?

と思い、UBERで宿へと向かいました。



これから7日間泊まる宿はハーレムという地名の場所にある宿です。

ハーレムは、昔は非常に危険な治安の悪い場所だったようです。

今は大分安全な地域になったものの、135stより上の通りだと今でも少し危ないと聞きました。

宿はばっちり139stにありました。

後日仲良くなった警察官に、ハーレムは危ないから直ぐに宿を変えた方が良いと言われました。

まあ人によるので、安全という人もいれば、危ないという人もいました。


宿にチェックインしたのは夜の10時でした。

周辺を大家さんに案内してもらったのですが、そこら中で大麻を吸ってる方々がいらっしゃり、あれ?ニューヨークは禁止なはずなのに大丈夫なのか?と思いました。

夜でも犬と散歩してる人をたくさん見たのですが、だいたいピットブルやシェパードなどのちょい怖な犬でした。

翌朝、家の前の公園に行くと、3人の遺影と花束、献花台があり、ちょうど花束を供えている人もいました。

「あ、やべえとこきちまったなあ」

去年はよく分からない白人に殴られるだけで済んだけど、今年はワンチャン殺されちゃうかもーと思いながら、

「ハーレムって名前めちゃかっけえ!ここに泊まろ!」と適当に宿を取った自分を呪いました。




139st


ハーレムの宿周辺。



このマンションが宿でした。



朝起きて家を出る時。

大家さんの住んでいる家の一室を借りる感じです。

一泊だいたい10.000円くらい。

大家さんは綺麗好きで優しい黒人の方でした。




、、、



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