• SHISHUMANIA

⑦購入したヴィンテージスカジャン考察


ニューヨークバウリーのヴィンテージショップで偶然見つけた横振り刺繍スカジャン。


このお店には他にも4着ありましたが、なぜこのスカジャンにぐっときて購入したかという説明と、スカジャンの考察を書きたいと思います。

スカジャンマニアではないので、横振り刺繍職人「刺繍マニア」としての考察です。




【緑面】

前身頃も後ろ身頃も鷹のデザイン。

グリーン×シルバー生地に、赤白の太めのパイピングがついていて渋可愛いです。

ゆるい鷹の表情と相性がとても良いです。


内ポケットはブルー×イエローになっています。

中綿が入っていないので、さらっと着れる薄めのスカジャンです。


色落ちと汚れのエイジングで歴史を感じる1着です。


【青面】

前身頃は鷹、後ろ身頃はドラゴンに日本地図のデザイン。

ブルー×イエローの生地でパイピングは付いていません。


リバーシブルでどちらも前身頃が鷹というのは珍しい気がします。

僕ならこちらの面の前身頃は、ドラゴンヘッドの刺繍をします。


内ポケットは緑面と同じブルー×イエローの生地の仕様です。




【ジッパー】

青面は刻印無し、緑面はTOYOの刻印入りの回転式ファスナーです。

ミツワ製ファスナーには裏面にTOYOロゴが刻印されたファスナーがあるようなのですが、表面に何も刻印されていないのでファスナーブランドと年代の特定ができません。




【内ポケット】

ブルー×イエローで統一されています。






【シシュウマニア的ぐっときた一目惚れポイント】


この1着は、袖リブは付いていないし、汚いし、触ると痒くなりますが、僕にとっては大きな価値のあるスカジャンです。


おそらく、青面は新米刺繍職人、緑面はベテラン刺繍職人が分担して刺繍しています。



後ろ身頃を全体的に見ると、青面は縫う角度に多少のミスがあり、迷いながら刺繍していることが見て取れますが、薄くさらっと縫えていていい感じです。

欲を言えば、もう少し地図のアウトラインを太めに縫えば、迫力が出ると思います。



緑面は羽の縁取りにラメ糸のような糸を使って刺繍していて芸が細かいです。

羽一枚一枚、きっちりスペースを空けて縫っていて綺麗です。

劣化で薄く色落ちしていますが、白の羽部分はグレーと白でグラデーションを作っています。





それでは細く見ていきます。


下の画像を見るとわかるのですが、青面の職人さんは、下糸の調整をうまくできていないようで下糸が表に出てきてしまっています。

また、下糸を変えるのがめんどくさかったのか、赤糸で縫ってしまっています。


下画像右の龍のひげ、Japan文字を見るとわかるのですが、赤い下糸が右にだけ出ています。

幅を出して縫うと右側にだけ飛び出しているので、ボビンケースの調整ピンの調整がうまくできていません。


下画像左の地名のような細い線だと、両側から赤い下糸が見えます。


仕事が忙しく適当に刺繍したか、新米職人さんで調整が分からずそのまま刺繍しちゃったかのどちらかだと思います。


多分怒られたんじゃないかな?と思います。




前身頃の鷹で比べます。

同じ図柄なのですが、刺繍のレベルの違いがよくわかります。

おそらく青面の職人さんはくちばしが難しかったのでしょう。

形も悪く、黒で縁取りをしてしまっています。

どう見ても緑面の方が綺麗な仕上がりですね。



なぜこの1着を買ったか、それはこの青面の下糸出まくりの感じと、頑張って刺繍したのがわかる前身頃の鷹のゆるい表情に一目惚れしたからです。


これを見た瞬間、このスカジャンは僕が買うためにここにあるんだ! と思い即決で購入しました。



誰も見向きもしないような汚い、しかも袖リブがない、さらに触ると痒くなるスカジャンですが、この下糸の調整がよくわからないけど頑張って縫った青面の職人さん、さらっとうまく縫ってしまう緑面のベテラン職人さんにストーリー、ドラマを感じますし、歴史も感じ取ることができ、ぐっときました。



また来年ニューヨークでぐっとくるスカジャンを探そうと思います。





刺繍マニア的ぐっとくるスカジャン、20着くらい集まったら考察キャプションを入れて展示会開いたら面白そうだなーとも思います。


まだヴィンテージは2着しか持っていないので、お金がかかりそうですね 笑



ミシン集め、ぐっとくるスカジャン集めを楽しみに、仕事頑張ります!


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2020.1.23~

2018.1.1~